本「釣り師の本棚(中里著)」
「釣り人は心に深い傷をもつ。その傷を癒すために、何度も何度も、川へ湖へと出掛けるのである。雨が降っても風が吹いても・・・。そして釣り人はその傷に気づかない。」
作家開高健の言葉である。
それでは、釣りに行けない釣り人はどうしたらよいか?
最良の処方箋は、上質な言葉で綴られた一冊の釣りの本である。吟味、熟成させた銘酒のような書は、いつでもどこでも釣り人の心に潤いと安らぎを与えてくれる。魂の瑕疵(きず)を修復し、明日への活力を生み出してくれるそんな素敵な書物を紹介したい。
~・~・~・~・~引用終わり~・~・~・~・~
以上は、「釣り師の本棚(中里哲夫著、寿郎社、1500円+税)」の表紙をめくって、最初に出てくる「湿原のカムイ-幻のイトウを追って」(佐々木著)を紹介するところからの引用です。
書店での立ち読みで、この部分を読んで、傷だらけのよっしーは、すぐ購入することを決めました。
タイトル通り、釣りに関係のある名著を紹介する本です。詳細されているのは全部で48冊。いやーー、こんなにいろいろな本があるんですねーーー。
基本的には本の紹介なのですが、その紹介するためのイントロが、著者(北海道在住、医者)の釣りの経験が散りばめられていて、楽しく読ませてくれます。また、古書の入手方法が案内されていて、きめ細やかな心遣いが行き届いています。
以下、読んでいて、印象に残った部分を引用させていただきます。
~・~・~・~・~引用開始~・~・~・~・~
■【北海道の湖と渓流】(鍛冶英介著)の紹介文より
たとえば、やたらと渓流のサクラマスの写真(道内の河川)を載せている本があるが、いたずらに射幸心をあおるだけだと思う。釣り文化の一端を担うライターの皆さんには、商売だけではなく文化人としての見識と自覚、そして低きに流れない痩せ我慢の心根も必要かと思う。ある釣り番組の最後に「風を釣り、水を釣り、人生を釣る・・・鍛冶英介」とテロップが流れていた。うーーーん、格好いい。釣り人すべからくこう生きたいものである。
■【雨の日の釣り師のために】(D&G・パウナル/開高健編)の紹介文より
彼は釣り師の金科玉条をこう語る。
マグナ・カルタ 実技編
(1) 広い川では狭い所を釣れ。狭い川では広いところを釣れ。
(2) 朝起きて空が曇っていたら喜べ。
(3) 鉤先はつねにどんな魚を釣ろうと瀬戸物に刺さるぐらい研ぎあげておけ。
(4) 山ではどんなに晴れていても雨具を忘れるな。海ではどんなに船酔いに強くても酔い止め薬を忘れるな。
(5) 女はロッジに残しておけ(前夜祭も避けたほうが無難なるべしとの意見は多い)。
なるほどなるほど、さらにもう少し。
その精神編
(1) 運・勘・根の三位一体と知るべし。
(2) 悠々として、かつ急げ。
(3) 情報は徹底的に謙虚に聞きこめ。しかし釣れるまでは信ずるな。にこやかにハイハイといいながら、頑なに信じ込むな。
(4) ジンクスは絶対に口外すべからず。
(5) 自分より先に友達に釣れたら電光石化、ホメてあげるべし。これはラッキーで釣れたんじゃないとホメてあげる。一拍遅れると嫉妬で苦しめられ、イライラして、いよいよ釣れなくなるゾ。
どうです、ため息が出るでしょう。かゆいところに手が届き、今一つ霞んでいた視界が一気に広がり、釣り人の心の澱は洗われる。この序文を読むだけでも、この本を手にする価値が十分あると私は思う。
~・~・~・~・~引用終わり~・~・~・~・~
「風を釣り、水を釣り、人生を釣る」ですかー。この境地に立ちたいとは思いつつも、どうしても欲が全面に出てきてしまうんですよねーー。まだまだ、修行が足りませんね。
釣り精神編の「運・勘・根の三位一体と知るべし。」 なるほど。よっしーには「運」と「勘」、特に「勘」が足りないようです。
今年の鬼怒川本流ヤマメへのチャレンジなんか、根気だけでは、釣れないことを証明しているようで、ちょっと寂しくなりました(^_^;)。
「運」はともかく、「勘」に磨きをかけたいと思います。
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コメント
>t-fukuさん
確かに、何事も、経験なくして、勘は養えませんよね。
投稿: よっしー | 2006年11月28日 (火) 21時42分
こんにちは!
う~ん、私にはほど遠い世界のようですね。
なにせ、釣りに限らず、本(活字だらけの)自体が読めないもので・・・(笑)
>精神論
考えたこともないですね~
私が釣りに思うことは、
「楽しく釣りをする」「自分の好きな釣り方で釣る」「やるからには納得のいく釣りをする」
こんな感じですね。
>勘
勘は頭で考えていても磨かれないと思います。
やっぱり、経験値が勘を働かせる元になっていると思いますよ。
とにかく釣りに行きましょう!
投稿: t-fuku | 2006年11月28日 (火) 08時48分