本『イワナをもっと増やしたい!「幻の魚」を守り、育て、利用する新しい方法(中村智幸著)』
いつもの釣りコーナーで、見慣れないタイトルが目に飛び込んできました。
「イワナをもっと増やしたい!」。
増やしたいってどういうこと?、なんて思いながら、手に取り、ペラペラめくってみると、「鬼怒川」という文字が頻繁に出てきます。
著者は長野県出身の中村智幸さん。
栃木県水産試験場に勤めた後、今は、独立行政法人水産総合研究センター・中央水産研究所・内水面研究部・生態系保全研究室(栃木県日光市)で研究されているそうです。
同じ栃木県にいらっしゃる方ということもあって、親近感が湧いてきました。
よっしーは、あまり上流部に釣りに行かないので、イワナにお目にかかることは少ないのですが、鬼怒川水系をフィールドとした研究成果、しかも栃木県の方が書いたとなれば、買わない訳にいきません(^_^;)。
自宅で読み始めると・・・、
鬼怒川の上流部でのイワナの生態、人工産卵場のつくり方、利用(釣り)と保護の両立等々、イワナ、イワナのオンパレード(イワナとの比較でヤマメも少し登場)。
時々出てくる「天然魚は数が少ないので普通の釣り方をしたら、あっという間にいなくなってしまう」というくだりには、うなづくこと度々。
面白かったのは、「尺イワナが生まれるメカニズムの4つの仮説」。
仮説が4つ提示されているのですが、このうち「昆虫食から魚類や両生類食への食性変化する個体が大型化する」という説の可能性が高いそうです。
以前、イモリを飼育していた時も、生き餌しか食べない個体や何でも食べる個体もいたので、この食性の違いが大型化に結びつく可能性があるというのは納得です。
また、イワナの寿命は長くて8年もあるそうです。長生きするんですねーー。せいぜい3~4年と思っていたので、正直驚きました。
文章が分かりやすく、読みやすいので、3日間程で読み終えました。
イワナを通して、トラウトフィシングや保護のあり方について、考えさせてくれる内容になっていますので、渓流ファンのみならず、多くのトラウトアングラーに、お薦めしたいと思います。
また、中村さんに、是非、続編として「ヤマメをもっと増やしたい!」の出版をお願いしたいと思うのは、私だけでしょうか。
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【タイトル】イワナをもっと増やしたい!「幻の魚」を守り、育て、利用する新しい方法
【著者】中村智幸(なかむら ともゆき)
【出版】フライの雑誌社新書
【発行】2007年12月20日 初版発行
【定価】1,200円(税込)
【ISBN】ISBN978-4-939003-27-1 C0095 \1143E
【目次】
第1章 不思議な魚、イワナ
第2章 「幻の魚」イワナのプロフィール
第3章 イワナ研究のフィールドワーク
第4章 イワナの姿かたちは川や支流ごとに違う
第5章 謎多きイワナの暮らし(1) 年齢の調べ方、成長、成熟、寿命
第6章 謎多きイワナの暮らし(2) イワナはいつ、どれくらい移動するのか
第7章 天然のイワナを守る
第8章 イワナの種川を残し、守る
第9章 イワナが産卵床をつくる場所の条件とは何か
第10章 イワナの人工産卵場のつくり方
第11章 イワナを守りつつ利用する新しい方法~イワナとヒトの未来
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コメント
>ocmagicさん
この本には、イワナの生態について詳しく書かれているので、ocmagicさんの釣りにも、役立つことがあると思いますよーー。
今年もあと1ケ月で解禁ですね。
今日は、鬼怒川の様子を見に行ってきました。超渇水でチョロチョロ。そして、台風の影響で流れが大幅に流れが変わっていました。ポイント選定に苦労しそうです。
今年もよろしくお願いします。
追伸 ocmagicさんのHP(ブログ)、移動しませんでしたか。RSSリーダーで読めなくなって久しいのですが・・・。私のソフトの調子が悪いのかなーー(^_^;)。
投稿: よっしー-> ocmagicさん | 2008年1月27日 (日) 19時57分
今更ですが、おめでとうございます。禁句?
どちらかと言うと上流が多い私向けな本・・・
川幅3~5mの渓流で尺超えイワナが出ると感動します。
ほとんどが、餌釣りにお持ち帰りされる中
どうやって生き抜いてきたのか不思議になります。
シーズン当初は、ほとんど餌も食べていないのでガリガリ君です。
岩手源流域くらいまで行けば、岩魚も天然化しています。
さて、芦ノ湖・鬼怒川・東北渓流・銀山湖
今年も楽しみましょう。
投稿: ocmagic | 2008年1月27日 (日) 02時18分