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本『さかな~日常生活と魚類~(内田恵太郎著)』

 よっしーは、以前暮らしていた愛媛県松山市で、いろいろな魚をたくさん食べたことで、魚好きになりました。

 松山は、普通のスーパーでも新鮮な魚介類を売っていて、家庭でも気軽に食べられますし、繁華街には、美味しい刺身を食べられる店もたくさんあるんですよねーー。

 「はしまや」、「助格」、「酒八」、「磯八」などでの、松山での美味しく楽しいひとときが思い出されます。

 そんな私でも、魚のどんなところが美味しいか、全て知っている訳ではありません。

 今日、紹介する本『さかな~日常生活と魚類~(内田恵太郎著)』には、魚の美味しい部分が、詳しく書かれています。

 古書にもかかわらず、今の時代でも十分通用する内容です。

 魚の食べ方、味わい方は、いつの時代でも、大きな変わらないということのようです。

 ちょっと「はじめに」から引用してみましょう。

~~~引用開始~~~

 日本は魚食国であり、栄養の蛋白源のもっとも重要な部分を魚に仰いでいる。これは四面環海の小島国である日本の自然環境と、民族の特質からきた歴史的必然性によったもので、今後いかに日常生活の習慣が変わっても、この点はおそらく長く変わることがないであろう。

 フランスの文学者ゴンクールの日記に、「男女を問わず、魚が好きな人は、すべて繊細な好みを持っている」という言葉が、ぽつんとかいてあるのを見たことがある。なるほど、牛豚羊などの獣肉にくらべて、魚は味も繊細であるし、食べるのにも繊細な手さばきがいる.われわれ日本人は、昔から、日本の細い箸を器用に使って小魚をむしって食べるという、ナイフとフォークで大切れの獣肉を切って刺して食べるのに比べたら、およそ繊細な食べ方をする。

 実際、日本のような箸の使い方は、魚を食べるために特に発達したような気さえする。これは日本の家庭生活における大きな特色といえるであろうが、こたれがまた、日本古来の文化の特色である繊細さと、一つのつながりがあると考えてもよいのではないか。

 (中略)

 魚を生物学的に研究し、その習性や繁殖発育の状態などをくわしく知ることは、もちろん興味もあり、魚を利用する上にも基礎知識として有益なことであるが、本書に述べてあるのは、そういう「魚の生物学」ではなく、私たち人間の実生活に深い関係のある自然資源としての魚の人間の生活との関係の面である。

 これは、自然科学的の面だけではなく、人文科学に関する面、たとえば宗教や、民族、文芸などにおいても、魚はいろいろな形、いろいろな意味で現れてくる。こういういろいろな方面から見た魚を全般的に扱って、魚と人間生活との関係を浮き彫りにしてみようとしたのが、本書の意図である。

~~~引用終了~~~

 この本の中で、よっしー一番のお薦めは、「食べものとしての魚」の部分。

 魚のどんなところが、美味しいと言われているのか気になっていたんですよねーー。

 大好物の頬肉、鯛の目玉、ヒレの肉、その他の部分はどうなのか・・・。

 「三 食べものとしての魚、1 魚の体とその利用法、(2)の肉」には、『わきばらの肉、血合のうまさ、かまの味、珍重される頬身、美味随一の唇の肉、ぜいたく料理のタイの目玉、口蓋と後頭部の肉、ヒレの肉のいろいろ』と、ほぼ全ての魚体各部の肉の美味しさについて説明されています。

 魚好きなよっしーにとって、バイブルのような本になりました。

 ちなみに、よっしーの好きな部分は、頬、唇、胸鰭の付け根・・・、好きな魚は、タイ、フグ、ヒラメ、オコゼ、カワハギ、サヨリ、イサキ・・・。

 どれもみんな、最近、全然食べていません(^_^;)。

~~~~~~~~~~~~~

本『さかな~日常生活と魚類~(内田恵太郎著)』 【タイトル】さかな~日常生活と魚類~

【著者】内田恵太郎(うちだ けいたろう)

【出版】慶応通信

【発行】昭和31年2月10日 初版発行

【定価】200円(古書です)

【目次】

一 生きている魚について
 1 種類と系統
 2 体の形と色と生態
 3 すんでいる場所と動きまわる場所(分布と移動)
  (1) すんでいる場所(分布)
    (2) 動き回る場所(移動)
 4 魚の一生涯(生活史)
  (1) 魚はどうして殖えるか(繁殖)
    (2) 魚はどうして育つか(発育と成長)
    (3) 魚はどのくらい生きるか(年齢と寿命)

二 魚が利用者の手に入るまで
 1 さかなとり(漁獲)
  (1) 道具と取りかた(漁具と漁法)
    (2) とれる場所、とれる時期(漁場と漁期)
    (3) とった魚の取り扱い(処理と運搬)
 2 魚を育てふやすこと(増殖・養殖)

三 食べものとしての魚
 1 魚の体とその利用法
   (1) 皮膚とうろこ
    (2) 肉
    (3) 骨
    (4) あぶら(脂肪)
    (5) はらわた(臓器)
    (6) その他
 2 魚の味
    (1) 味のちがいは何によるか(味の構成)
    (2) 味の変化について
    (3) 習慣と嗜好
 3 魚の品質
  (1) 品質とは何か
    (2) 大魚と小魚
    (3) 青魚と赤魚
    (4) 赤身と白身
    (5) 上品な魚と下品な魚
    (6) 近海物、遠洋物、送り物
    (7) 漁法と品質
    (8) いきのよしあし(鮮度)
 4 魚の料理
    (1) 料理とは何か
    (2) 料理操作
    (3) 盛りつけと献立

四 毒魚と害魚
 1 毒魚
    (1) 食中毒を起こす魚
    (2) 刺す魚
 2 害魚
    (1) 直接害魚
    (2) 間接害魚

五 見て楽しむ魚
 1 観賞魚
  (1) 観賞魚の資格
    (2) 観賞用に作った魚
    (3) 異国趣味の魚(熱帯魚)
    (4) 日本の野生魚
 2 池と水槽
    (1) 池
    (2) 水槽
 3 水族館とその利用

六 民族文芸と魚

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53◇ 書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

>t-fukuさん

 私も、「カマ」は大好きです。

 タイやブリのカマなんて最高に旨いと思います。

 それから、t-fukuさんの苦手な「大きい赤身の魚」って、もしかして「マグロ」それとも「鮭」?(^_^;)。

投稿: よっしー->t-fukuさん | 2008年12月16日 (火) 20時05分

>O.K.Dさん

 確かに、値段だけで比べたら、肉より高くなってしまいますが、美味しさを選んで、少し高くても、頑張って買ったり、注文したりしています。

 そして、お酒に魚は、本当によく合うと思います。

 美味しい刺身なんかがあると、ついつい飲みすぎちゃったりしています(^_^;)。

投稿: よっしー->O.K.Dさん | 2008年12月16日 (火) 20時04分

私は、部位でいうと”カマ”ですかね~

もちろん、これが部位として食せるには、魚自体も大きくないといけませんが・・・(苦笑)

好きな魚は、
刺身なら新鮮な青物です!
煮るなら根魚ですね~
焼くなら・・・

といろいろありますが、基本的に魚はOKです。

ただ、イマイチなのは、日本人の大好きなあの大きい赤味の魚です。

物にもよるのでしょうが、これより美味しい魚はたくさんあると思います。

投稿: t-fuku | 2008年12月15日 (月) 12時07分

よっしーさん、こんにちは。

私は小さい頃魚介類が嫌いなタイプでしたが、大人になって酒を飲むようになってから少なくとも嫌いにはならなくなりました。

ただ、魚介類って値段で比べると高いんですよね。
先日、鮭の粕汁を作ってみようかと思ったのですが、切り身の値段に驚いてやめてしまいました。

やはり鮮度を保つことが難しくて高コストになってしまうんでうね。

投稿: O.K.D | 2008年12月15日 (月) 01時32分

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