トラウト・アングラー必携「イワナの顔(白石著)」
1月2日(木)、正月恒例となっている宇都宮東武百貨店の「古書の市(1/2~1/7)」へ行ってきました。
いつもよりスペースは半分になってしまっていますが、多くの古書店が一堂に会したこのイベントは貴重です。
最初に、どんな本が置いてあるか、ざっと一回りした後、じっくり一つ一つ背表紙に目を通していきます。
最近、自己啓発やビジネス書に関心が向いているのですが、思っていた本がないな~~と思っていたら、いきなり、いい感じのタイトルが飛び込んできました。
日本全国58河川、ネイティブの岩魚92態[探査釣行] イワナの顔 (文・白石勝彦、写真・和田悟、山と渓谷社)。
値段(600円)も手頃とくれば、買わない訳にはいきません。
イワナ釣りで有名な白石勝彦さんが、全国の河川で、オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス(エゾイワナ)、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ、キリクチ、ゴギを釣り歩いて、イワナの比較写真や釣査レポートを掲載しているのです。
和田さんの撮影も上手で、側面、上面、顔や体、尾鰭のアップ写真は、模様、斑点、色合いがよく撮れていて、見ているだけでも癒されます。
ところで、私が、2013年8月18日に鬼怒川上流の渓流で釣ったイワナ(42cm)は、どのタイプに属するのでしょう。
体側面に瞳孔より小さい白い斑点が散らばっていますが、ほとんど着色していません。
35ページの福島県田子倉湖の湖沼型のニッコウイワナに似ていますが、着色点がないので、東北地方のアメマスっぽくも見えます。
湖沼で成長して遡上したニッコウイワナの特徴なのか、それとも放流されたものなのか・・・。
さらに調べていくと、鬼怒川水系には、以前、東北地方からアメマス系統が放流されたそうです(「イワナをもっと増やしたい(中村著)」)。
釣ったのは源流域ではありませんので、おそらく、アメマス系統の放流物とニッコウイワナの交雑個体ではないでしょうか。
あのイワナも、今頃は、雪景色の渓流の中、深みでじっとしながら、春を待っているのかな?
この本が手元にあると、こんな感じで、釣ったイワナがどんなタイプなのか比較できて、自宅に帰ってきてからも楽しめます。
イワナを愛するトラウト・アングラー必携の一冊です。
【追伸】
白石さんは、本の中で、「在来種を守ることが必要.岩魚のことが本当に好きならば、少なくとも絶滅寸前のような場所で愚かな行為をするような人は絶対にいないと信じたい」と書いています。
自然の中で末永く釣りを楽しむためのマナーとして、ネイティブが棲息する源流域への釣行を避けるようにするのはもちろんのこと、キープ(持ち帰り)を必要最小限にとどめ、キャッチ&リリースを心掛けたいですね。
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